片思い二年、私の恋は叶わない
「寧には好きな人がいる」
「…あなた、知ってるの?知っててそんなことしてるの?最低、さいていね!」
静かに声を抑えていえた。
目の前の狡賢い男は、つまらないこととでも言いたげに平静だった。
「俺は何もしてない」
「巻き込んでるじゃない。あなたは寧を利用してるじゃない」
寧の気持ちを利用してる。
「俺に会って何を言うつもりだった?」
不意の質問に、一瞬何を聞かれたかわからなかった。
「寧を傷つけないでって…」
「物理的でない以上それはあいつ次第だろ」
そう、なんだ。
精神的に傷つけられているということは、すべて寧の心の中の問題。
第三者がとやかく言えることじゃない。
「寧と距離をおいてよ」
「俺と寧の勝手だろう、彼女でもないくせに」
カノジョでもナイ。
言える権利も、言える資格もない。