片思い二年、私の恋は叶わない

 その瞬間全てに納得がいった。

 寧のいるあの場に現れてはより一層寧の気持ちを高ぶらせ、私と寧の関係は壊れるだろう。

 私は寧と距離をあけろだとか、色々と寧のことを気遣った発言をするだろう。

 それに寧は怒るだろう。

 寧のことを思って、私のことを思って。

 この人は距離を取る方法を私に与えているんだ。

 寧を傷つけない方法を選んで。

 寧の前で言えば寧を傷つけてしまう。

 いきなり距離を空ければ寧は彼を探すだろう。

 私は親友だ、私さえ理由を知っていればいくらでも言い訳をしてくれると踏んで。

 狡猾さがうかがえる、でもそれ以上に不器用。

 巻き込みたくないと素直にいえない、これ以上傷つけたくないと自分から動き出すこともできない。

 ゆえの、行動。

 だけど、そんなの。

 「ふざけんな」

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