片思い二年、私の恋は叶わない

 「私を利用する気?バレてるならいうけど、私寧が好きなの。だからあなたなんかの言うことに素直に従うわけないでしょ。それにね、私は寧が好きだから、あなたなんか勝手に苦しめばいいと思ってるけど寧がそれを望んでいないんだからとやかく言えるわけないじゃない」

 言い切った後に、頼んだキャラメルラテの氷がすっかり溶けていることに気付いた。

 言い切った後に、昨日の寧の言葉を思い出した。

 寧が会計を持ってたった時、何度も翠が好きだからと繰り返していた。

 それは私が彼を傷つけようとしているから、私に思い知らせる為にだと思っていた。

 何度も口にするほど好きなんだって、誰にも言ったことのない気持ちを口に出せて止まらなくなったのかと思っていた。

 だけど、今の私も同じことをした。

 何度も寧が好きだからって言った。

 この気持ちを誰かに言ったことはない。

 だけど、決して止まらなかったわけじゃない。

 私は、私自身に思い知らせるために、言い聞かせるために。

 何度も好きだからと繰り返して、守るためにと自分に言い聞かせた。

 …同じ気持ち?

 寧も同じ気持ち?

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