片思い二年、私の恋は叶わない
小野田翠は私を見ていう。
「…俺は寧を巻き込んでしまった。悪いとは思っている。けど、憎む。止まらない俺は世界が嫌いだ」
世界を嫌いと言う。
こんなマイナス思考の男と一緒にいたら私もダメになる。
寧の好きな人…
彼を理解することは多分、私には無理。
寧は本当に、すごく、彼が好きで。
守りたいからこそ、親友の私にすら傷つけられることを拒んだ。
世界を憎む程のダメな男に、心の全てを傾ける程に愛している。
同じ、私も同じ。
それならもう、何も言えないじゃない。
「私、あなたが嫌い。寧を傷つけるあなたが嫌い。寧があなたを好きでいるかぎりあなたは私の天敵。だからあなたを救ってなんてあげない。もう少し寧の横で惨めに喘ぐといい」
私はそんな寧を慰める都合のいい親友で居続けるけど、それも構わない。