片思い二年、私の恋は叶わない

 小野田翠は私を見ていう。

 「…俺は寧を巻き込んでしまった。悪いとは思っている。けど、憎む。止まらない俺は世界が嫌いだ」

 世界を嫌いと言う。

 こんなマイナス思考の男と一緒にいたら私もダメになる。

 寧の好きな人…

 彼を理解することは多分、私には無理。

 寧は本当に、すごく、彼が好きで。

 守りたいからこそ、親友の私にすら傷つけられることを拒んだ。

 世界を憎む程のダメな男に、心の全てを傾ける程に愛している。

 同じ、私も同じ。

 それならもう、何も言えないじゃない。

 「私、あなたが嫌い。寧を傷つけるあなたが嫌い。寧があなたを好きでいるかぎりあなたは私の天敵。だからあなたを救ってなんてあげない。もう少し寧の横で惨めに喘ぐといい」

 私はそんな寧を慰める都合のいい親友で居続けるけど、それも構わない。

< 27 / 30 >

この作品をシェア

pagetop