片思い二年、私の恋は叶わない
彼から発せられる弱音を受け止める。
胸の中に入ってくる言葉全て、ひねくれた私には愛の言葉に聞こえる。
愚かな人間の浅はかさと脆さにつき合わされながら、それでも愛さずにはいられない自分の弱さを吐露する優しい彼。
深夜だろうが、次の日が仕事だろうが、呼び出される私のポジションは親友。
弱さを吐き出す彼を、好きな私は片思い歴二年。
いい加減にこの恋を終わらせたい。
こうも簡単に自分の都合で私を呼び出す彼との都合のいい親友という関係が憎くて、嬉しくて私の心情は決して穏やかじゃない。
そんな私の恋敵は、とても弱くて壊れやすく生きていくには向いていない人。
ぎりぎりのところで泣き顔を見せないでいる彼の優しさに気づいていながら思いに答えない非情さと、困ったらいつも彼にすがる狡さを持つ人間。
今のところ私の天敵。
誰にでも優しい人、そのわけ隔てない優しさが仇となって、思い人に気持ちを伝えられないのが星掛 寧(ほしかけ ねい)と言う人間。
自分の弱さを呪い、助けになれない無力さに苦しむ姿さえ、私には愛に溺れているように見えて、その恋を続ける意味を問いそうになる。