片思い二年、私の恋は叶わない
やめてしまえばいい。
なんて、言葉に出来ないのは私も同じだから。
苦しい恋をしている、叶うはずがないと知っている。
それでもやめられない恋を、私も彼にしているから。
未だに伝えられないのは、悲しい結果になると見えているから。
泣きを見るのを覚悟で挑むこの勝ち目のない戦い、共に同じ立場にいるからこそ、言えない言葉がある。
励ます気はない、寧が彼の弱さにつけこみ思いを告げることがないように。
私は親友という都合のいい関係を利用し、話を聞くだけに徹する。
否定も肯定もしない、求められているのはただ弱さを晒せる相手という都合良さだけ。
他人には決して見せない弱さを晒せるというこの絶対的存在価値に酔っていることは否定しない。
彼の弱さも全て知っているんだと自己満足に浸りながら、涙を流すことを知っているから。
恋敵への愛の言葉、弱さに紛れて見える理解したいと言う本音。
決して彼が口にしない愛の言葉に、気づかないフリをするのももう慣れてしまったから。
平静を装いながら私は今日も親友を演じた。