片思い二年、私の恋は叶わない

 「わ、私は、私には弱いところ、見せてくれるじゃない」

 それを特別だと勘違いしていた。

 「私が困ったら助けてくれるじゃない」

 いつだって一番に駆けつけてくれた。

 「だってそれは、ゆきだから」

 顔を上げた彼の当然と言いたげな顔。

 普段の私なら飛び跳ねて喜ぶ言葉。

 だけど、知ってる。

 その言葉の真意。

 だってゆきだから(私だけは特別だから)じゃない。

 だってゆきだから(親友だから当然)。

 実感なんて、したくない。

 どれだけ彼の傍にいても、隣には立てないこのポジション。

 親友と恋人の埋まることのない差。

 泣くな、泣いたら負けだ。

 

 
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