元ヤン少女が進学校へ。
「……カッチーン」
通常の林崎ボイスで、
あたしは、ぼそっとつぶやいた。
そして、寝転がっている横川に
一歩一歩近付いていく。
「シカトしてんじゃあないよ、横川!」
そう言って、あたしは横川に
柔道技で有名な、袈裟固めをかけた。
「…うわっ…っておまえっ…林崎!?」
「逃げれるもんなら逃げてみやがれ!」
「なんで林崎がッ…?
って、ッ分かった分かった。ギ、ギブ!」
「え、はや」
さては横川、全然本気出してないな?
「よっ…と」
あたしは、技をかけたときに
自然に密着した身体を離し、
そのまま立ち上がる。
「てか横川、こんな太陽さんさんの日に
寝転がってたら熱中症になるよ?
現に顔赤いし…。大丈夫?」
そう言って、あたしは横川の顔を
覗きこんだ。
「だ、大丈夫だ。つか、ああ赤くねぇし」
なんて言いながら立ち上がる横川。