元ヤン少女が進学校へ。


「ッコホン…」


1つ咳払いをして、
あたしは顔全体を手でほぐす。


「……何やってんだ、おまえ」


と、呆れた口調で言う柊季。


「うっさいなー、見たら分かるでしょ?」


優花がガンを飛ばしてるとか言うから…


「顔のマッサージをしてるんだよ!」


「いや、なんでだよ。」


「とにかく、今はマッサージしてるから
あたしのこと呼ばないで」


そう言って、あたしは前を向いた。


「……数学どこいったんだよ」


…とかなんとか、後ろから聞こえたけど
あたしは幻聴とみなした。

 
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