元ヤン少女が進学校へ。
聞こえた声は、あたしの知っている声だった。
顔を見なくても、すぐに分かった。
……柊季の声だ。
『なんか俺さ、林崎のこと
友達だなんて思えなくなった。』
そんな言葉が聞こえた瞬間、
あたしの胸は…ズキッとした。
「あ"ぁー、谷口先生どこ行ったんだよ…」
不意にあたしがいる廊下から
野球部員の声が聞こえて
慌ててあたしは反対の方向へ歩き出す。
たどり着いた先は…なぜか階段の踊り場。
「あ、焦った…。」
……良かったー野球部の人に見られなくて。
だって盗み聞きなんて
しちゃいけない行為だし…。