元ヤン少女が進学校へ。
「…でも、柊季から全然話しかけてくれないし
……ずっと苗字呼びだし。
だからてっきり…嫌われてるのかと…。」
「…それは、戸惑っただけだよ。
いつもの挨拶が、急に無くなるから…」
「そ、それはごめん…」
「……それに、ずっと苗字で呼んでたのは
名前で呼ぶタイミングが
分かんなかっただけだよ。
……女の名前なんて、呼んだことねぇし。」
と、ムスッとしながら言う柊季。
「あははっ…柊季が言ったんじゃん。
名前で呼び合おうって」
「…まぁ、そうなんだけどさ」
「……ッでも、良かったー…!
あたし、嫌われたかと思って
すごい悩んだんだよ!?」
「…ったく、それは俺のセリフだっつーの」
そう言って、ホッとしたかのように
柊季はその場にしゃがみこんだ。