元ヤン少女が進学校へ。
「だーかーら、誤解だってば!」
「またまたー!
頭ポンってされてたくせにー♪」
不意に、茉実の声が聞こえて
俺はドア方面を見る。
そこには、確かに顔が赤い茉実がいて
ムッとなる自分がいた。
目が合っても、
俺はあからさまに目を逸らされる。
「ダメだー……あんなこと言われたら
意識しちゃうよ……」
かなり小さい声だってのに
全部を聞き取れてしまった俺は、地獄耳かも。
つか、なんだよ…。"あんなこと"って……。
茉実がボソっと呟いたその言葉と、
遠峰の煽り。
俺は今、過去最大に
焦りを感じていた……__。