元ヤン少女が進学校へ。
でも、確かにその方が良いかもな…。
だって、もし逆の立場で
例えばあたしが柊季に振られたとして
……まぁ、あたしは
振ったわけじゃないんだけど…。
その後に『旅行に行こう!』
……なんて言われたら
なんか良い気分しないもん。
思わせぶりって言うか…
相手の気持ちを考えてない、というか…。
…だから、旅行が終わるまでは
時田くんが計画した旅行…
ってことにしておこう。
ごめんね時田くん。
なんて思っていたその時。
「そんな顔すんなよ、茉実…」
「……へ?」
柊季の声が聞こえ、見上げると……
柊季は、悲しそうな顔をしていた。
「……俺が近くにいたら、まだ気まずい?」