元ヤン少女が進学校へ。


…怖くなんかない。


……でも、何か重要なことを
忘れている気がする。


__ぐいっ…


あたしは不意に、胸ぐらを掴まれた。


……それと同時に…


「ッ……おまえッ…」


と、なぜか目を見開いている…赤髪ヤンキー。


「…離してよ」


そう言って、あたしは彼の手を振り払い
「行こう?」と子どもに
声をかけた……そのとき。


「ちょっと待てや。
……おまえ、……林崎 茉実やろ?」


「…ッ……え?」


……そんな言葉と同時に、
頭が真っ白になった。


…だってあたし、すっかり忘れていたから。


ここが………関西ってこと。


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