元ヤン少女が進学校へ。


…そんなあたしを見て、柊季はふっと笑う。


「…あ、そうだ茉実。
手当するから、手出して」


「…へ?」


柊季の手には、消毒液と絆創膏があって
さっき居なかった理由は
これを買いに行ってくれていたのだと
今になって確信した。


「……つーか俺、怒ってるから。」


手当をしながら、
柊季は不機嫌そうに、そんなことを言う。


「…えっ?……やっぱり、
過去を隠してたこと、怒ってる…?」


「……そのことじゃねぇよ。
…おまえが、危ないことするから。
こんなケガまでして…。」


「……ッ」

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