元ヤン少女が進学校へ。


「俺って、そんな頼りない?」


悲しそうな表情で
そんなことを言う柊季を見て、
あたしは顔をブンブンと横に振る。


「……おまえがバットで
殴られそうになってるの見たとき
……まじで死ぬかと思った。」


「……っえ…」


「……茉実の正義感は、すげぇ好きだよ。
素直に尊敬するし。
…でもさ、危ないことはもうすんなよ。
……心臓持たねぇから。」


「っ……うん、ごめん」


「おまえのことは、俺が守るから」


「……っ…」


そんな柊季の真っ直ぐな言葉に
さっきから、あたしの心臓は
加速するばかり。

< 486 / 512 >

この作品をシェア

pagetop