元ヤン少女が進学校へ。
保健室に入ると、先生はいなかった。
あたしは勝手に椅子に座って、
腕の絆創膏を外す。
そして柊季は、新しい絆創膏を持って
あたしの隣に座った。
「……そうえばさ!
柊季があんなに強かったなんて…!
あたし知らなかったよ」
旅行先で、赤髪ヤンキーたちを
相手にする柊季を思い出して、
あたしはそんなことを言う。
「…言ったろ?元剣道部だって」
……柊季が木刀を構えた瞬間のことは
印象的だったから、鮮明に覚えてる。