元ヤン少女が進学校へ。


不機嫌な横川に対し、
あたしはなぜか上機嫌だったから
耳に手を当てて


「ん?なになに?」


と、笑顔で横川に問いかける。


「……おまえは、手挙げねーのかよ……」


少し拗ねた顔をして、何かを言う横川。


「ん?ごめん、周りがうるさくて
全ッ然聞こえない!なんて?」


「ッんでもねーよ!早く前向け!」


そう言ってガリガリ…
ちがう、カリカリしている横川。


な、なにさ!
しょうがないじゃん!聞こえないんだから!


なんて思いながら
あたしは仕方なく前を向いたのだった__



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