元ヤン少女が進学校へ。
分かるなぁー…その気持ち!
表では何も言わないけど
心の中ではすごく共感している。
だって、あたしもそうだったから。
ヤンキーはヤンキーでも
あたしは弱い者いじめとか、大嫌いだった。
例え、いじめるヤツを止めたとしても
大人からしたら、見た目の印象が良くない
あたしらヤンキーが悪者扱い。
結局、見た目で判断されちゃうんだよね…。
あぁ、思い出したら涙が出てきそうだ。
「…輝、その女に何言ったって
理解してくれるわけねーだろ。
こんな、頭の良い進学校に通うヤツが
俺らみたいなヤンキーのことなんて…
分かるはずねぇーんだよ」
……あたしが元ヤンってことを
知らない1号くんこと真桐は
そんなことを言う。
にしても…この人、横川以上に
ひねくれ坊やかもしれない…。
「でもさ、茉実ちゃんみたいに
外見で判断しないでさ
真正面からぶつかってくれる子
初めてだよね?」
輝っちが満足そうな顔でそう言うと、
真桐はふいっと顔を背けた。