元ヤン少女が進学校へ。
遅刻の理由。
【柊季side】
「ねぇ、里奈ちゃん!
今日、りんちゃん遅くない?」
「遅刻なんて珍しいね。
なんかあったのかな?」
少し離れた場所で、そんな声が聞こえる。
話しているのは、
林崎の友達、葉山と遠峰。
…つーか俺、
女子の名前ちゃんと覚えてんじゃん。
中学の時は覚えたことなんて無いから
我ながらびっくりする。
まぁ、それもそうか。
入学当初、
サボる俺を林崎が連れ戻しに来る度に
なぜか葉山と遠峰のことを話していた。
『スゴイ良い子と友達になった!』とか
『女の子らしくて可愛いんだよ〜』とか。
って言っても、あの時の俺は
全部シカトしてたけどな。
それでもあいつは葉山たちのことを
懲りずに話してくるから
覚えたくなくても
頭が勝手に覚えてるんだよな。