恋愛格差
…………違うでしょっての!
そこは「結婚しよう」だろうがっ!!
私はこの人に何度込み上げた涙を引っ込めさせられたらいいのでしょう。
「他の男が透子に股がってるのを見て、「無理」だと思った。それができるのは俺だけだ。」
もう何も言う気がしない。
他に言い様はないんだろうか。
「俺は最低でバカなストーカーだから、何度呆れられたって、嫌われたって、透子を逃がしはしないし、どこまでだって追いかける。」
そうして、腕を少し解いて形の良い唇を私のそれに寄せた。
「俺に捕まって」
そう言った優に、されるがままになっていた。
優がくれた深いキスは私の心の壁を取り除いた。
こんな最低な言い方をされてるのに、全然嬉しくないのに、捕まえてほしい気持ちが溢れてくる。
またほだされてる……?
スキンシップに弱すぎ、私。
でもいいかもしれない。これで。
呆れたまま何も言えず(一応反論はしたが)、結局は優の思う通りに。
なんだかいつもと同じ結末だけど、
「全身全霊で」愛してくれるはず、多分。
それに優の秘密と後悔を私に全てさらけ出してくれた。
私が一番望んだこと。
それは強姦にあった事実がそうさせたとしても……仕方ない。
あらゆる角度から迫ってくるキスに一息ついたとき、
互いの唇の間に「待った」の手のひらを差し入れた。
喋れないから。
「捕まってあげる、今回限り」
「透子っ‼」
飛び上がらんばかりに喜んで、調子に乗った優は私の服をいそいそと脱がしにかかった。
もちろん極上のキスと囁きを添えて。