恋愛格差
はぁ……
溜め息が止まらない。

「どうしたどうした~昨日のスッキリさんが。
お!目が腫れてる~ウケる~」

「うるさい。三池さん。」

この人はほんとに空気が読めないのか。

乙女(とは言いがたいけど)がため息ついて物思いに耽ってるってのに、
ウケるとはなんだ。

「ねぇねぇ、透子さん。昨日吉岡さんに会ったんですか?」

ナゼ知ってるんだ……

「昨日お父さん待ってたら、7時ぐらいにここに吉岡さん来たんですよ~
透子さんは帰ったって言ったら慌てて帰っていって。電話ありました?」

なるほど。だから会社で話題なんだね……
くそ~…

「電話はない。着信拒否にしてるから。」

「「マジで!?」」

ほんとに血が繋がってるんだね、キミタチ。

「別れた彼なんだからフツーでしょ。」

「着信拒否はヒドイ……俺なら泣く。」

えぇ。泣いてましたよ。

「用事があるかも知れないじゃないですか。なんで着信拒否?」

「もう前に進みたいから。」

二人は顔を見合わせている。

「昨日現場で会ったんだけど、吉岡くんは別れる訳ないって言ってたぞ。」

「うーん。他の女の子と勘違いしてるんじゃないですか?」

「だったらなんだよ。そのタヌキみたいな目と溜め息は。」

「もう、放っといてくださいよぉ。色々あるんです!」

これ以上説明できない。
だって問題は現在進行形なんだから。


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