恋愛格差
ワンコが狂犬になりました
休日の朝はなんてステキ。
いつも電車に揺られる時間も朝礼の時間も
布団の中でヌクヌクとしていられる……
優と二人でもそうやって過ごすのが好きだった。
優の素晴らしい寝顔を見ていると、
心が満たされてまた眠りについて。
確かにそんなときもあった。
いつまでだったか思い出せないが……
目を瞑ってまた意識が遠くなりかかった時
ガチャガチャ、ガチャン!
玄関が開いた。
そこにはスーツ姿の気合いの入った優の姿があった。
休日の朝っぱらからフェロモン垂れ流しのキラキラオーラを纏ったその男。
今朝の天気のように爽やかな雰囲気を醸し出し、
ちょっと憂いだその顔も悩める貴公子さながら。
日本人なのか?
それに反してこちらは
頭ボサボサ、見れたものではない素っぴんにシワシワのパジャマも少しはだけている。
煌めく王子さまの前の灰かぶり姫。
パーティ会場に紛れ込んだ裸の一般市民のように恥ずかしい。
はぁ~
思わず頭を抱え込んだ。
「なんで連絡もないかなぁ……」
「連絡したら逃げられちゃうだろうと思って」
なるほど。
それであなたは私に恥をかかせようとこの時間に?
まぁ優と一緒にいて居たたまれないくらい恥ずかしい思いをするのは慣れてるけれど。
「メールくらいしてよね。」
「ごめんね。これ、お土産。」
と差し出されたのは優の家の近くのケーキ屋さんのチーズケーキ。
「ありがと……」
ボサボサ頭のまま受けとると
「それ、好きだったでしょ?」
と嬉しそうに笑った。
その笑顔もイケメンだな、おい。
やっぱり「はぁ……」とため息をつき
シャワーに向かおうとした。
!いや!違うぞ!
ここは早々にお引き取り願わなくては!
私は洗面台で顔を洗い、髪を後ろで一つに纏め、
Tシャツとジーンズに着替えた。
化粧もせずそのままキッチンでコーヒーを淹れ
お土産のケーキをテレビ前のテーブルに出して
優に座るよう促した。
「シャワーは?」
「いいの。話が終わって優が帰ってから浴びるし。」
優はやっぱり項垂れて下を向いている。
「座ってよ。とりあえず。」
優はしばらく下を向いていたが、
突然腰を下ろし、なんと土下座をしたのだ!
「なっっ!やめてよっ!」
優は黙って土下座をしたまま頭を動かさない。
優のおでこはカーペットにくっついたままだ。
「今日は!透子に許してもらえるまで帰らない!」
「帰らないって……普通に話しようよ。
そんなことしてほしい訳じゃないよ。」
「だったら……どうやったら前みたいに戻れる?」
ちょっと顔をあげて伺うような表情も芸術的だな。
でも……
なんかムカついてきた。
「前みたいに……?前みたいに優が浮気した後もなし崩しに許せって?それとも気付かないでバカな女の振りをしろって?
冗談やめてよ。」
「いつも優先すべきは透子だったよ。」
なにを~
自分がモテるからってその言いぐさ!
彼女を優先してりゃ浮気しても大丈夫的な?
写真で見ただけのカズがチラッと浮かんだ。
「だから!もう優先しなくていい!
私はお見合いしたんだから。
私だけを見てくれる人に生涯を捧げることにした!」
いつも電車に揺られる時間も朝礼の時間も
布団の中でヌクヌクとしていられる……
優と二人でもそうやって過ごすのが好きだった。
優の素晴らしい寝顔を見ていると、
心が満たされてまた眠りについて。
確かにそんなときもあった。
いつまでだったか思い出せないが……
目を瞑ってまた意識が遠くなりかかった時
ガチャガチャ、ガチャン!
玄関が開いた。
そこにはスーツ姿の気合いの入った優の姿があった。
休日の朝っぱらからフェロモン垂れ流しのキラキラオーラを纏ったその男。
今朝の天気のように爽やかな雰囲気を醸し出し、
ちょっと憂いだその顔も悩める貴公子さながら。
日本人なのか?
それに反してこちらは
頭ボサボサ、見れたものではない素っぴんにシワシワのパジャマも少しはだけている。
煌めく王子さまの前の灰かぶり姫。
パーティ会場に紛れ込んだ裸の一般市民のように恥ずかしい。
はぁ~
思わず頭を抱え込んだ。
「なんで連絡もないかなぁ……」
「連絡したら逃げられちゃうだろうと思って」
なるほど。
それであなたは私に恥をかかせようとこの時間に?
まぁ優と一緒にいて居たたまれないくらい恥ずかしい思いをするのは慣れてるけれど。
「メールくらいしてよね。」
「ごめんね。これ、お土産。」
と差し出されたのは優の家の近くのケーキ屋さんのチーズケーキ。
「ありがと……」
ボサボサ頭のまま受けとると
「それ、好きだったでしょ?」
と嬉しそうに笑った。
その笑顔もイケメンだな、おい。
やっぱり「はぁ……」とため息をつき
シャワーに向かおうとした。
!いや!違うぞ!
ここは早々にお引き取り願わなくては!
私は洗面台で顔を洗い、髪を後ろで一つに纏め、
Tシャツとジーンズに着替えた。
化粧もせずそのままキッチンでコーヒーを淹れ
お土産のケーキをテレビ前のテーブルに出して
優に座るよう促した。
「シャワーは?」
「いいの。話が終わって優が帰ってから浴びるし。」
優はやっぱり項垂れて下を向いている。
「座ってよ。とりあえず。」
優はしばらく下を向いていたが、
突然腰を下ろし、なんと土下座をしたのだ!
「なっっ!やめてよっ!」
優は黙って土下座をしたまま頭を動かさない。
優のおでこはカーペットにくっついたままだ。
「今日は!透子に許してもらえるまで帰らない!」
「帰らないって……普通に話しようよ。
そんなことしてほしい訳じゃないよ。」
「だったら……どうやったら前みたいに戻れる?」
ちょっと顔をあげて伺うような表情も芸術的だな。
でも……
なんかムカついてきた。
「前みたいに……?前みたいに優が浮気した後もなし崩しに許せって?それとも気付かないでバカな女の振りをしろって?
冗談やめてよ。」
「いつも優先すべきは透子だったよ。」
なにを~
自分がモテるからってその言いぐさ!
彼女を優先してりゃ浮気しても大丈夫的な?
写真で見ただけのカズがチラッと浮かんだ。
「だから!もう優先しなくていい!
私はお見合いしたんだから。
私だけを見てくれる人に生涯を捧げることにした!」