恋愛格差
優(すぐる)の浮気は日常茶飯事。
何度目だかわからないけど、今日みたいに出くわしたのは2回目。

ま、広いこの街で二度もバッタリ会ってしまう程頻繁ということだ。

最初の頃はそれこそ落ち込んだ。
怒った。泣いた。責めた。

しかし、この誰から見ても平均点な私が
あのハイスペックなイケメンと付き合ってること自体ありがたいことなのだと自分に言い聞かせ、

浮気の何度目かには捨てられるリスクを回避するため、
チクッとは嫌みを言っても
責め立てることをやめた。


そうしていくうちに仙人の境地に入ってしまった。
いや、これも自分で自分を納得させた。

そうこうしてると
なんだか割りに合わない気がしてきたのはここ半年。


そうなんだ。


アイツがお座敷ワンワン系のかわいい容姿で
これまた性格も人懐っこくて素直な為に、
モテモテだったとしても!

私が冴えない容姿で
真面目しか取り柄がなくて甘え方もわからない
女子力の少ない女だったとしても!


藤原 透子(とうこ) 27才

そう
立派な大人の女

こんな理不尽な扱いを甘んじて受ける訳にはいかないのだ!



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