恋愛格差
およそ1時間後、優は出先から帰社したようだ。

いつもかっちりしたスーツに余裕のある立ち居振舞いの優が、なんだか焦っている。
会社の玄関に入る姿も慌ただしい。
そして手にはコンビニの袋。

今から事務処理するのかな

なんだか手伝ってあげたい気分。

だって私は事務処理メインの仕事。
こんなに早くに終わっている。

優は外回りの仕事を終え、今から事務処理や資料作成やらするんだ。
私が社内にいたらやってあげるのに。

はっ?
何を考えてる私……

首をブンブンと振って、店員さんを呼んだ。
そして優に悪いと思いつつ、ホットサンドを注文した。

ホットサンドを食べながら思う。

今日は本当に仕事しかしないのかもしれない。

金曜日だしなぁ。

金曜日の夜にこんなところで一人サンドイッチを食べてる私って……
まぁ仕事してる優よりマシか。

なんだか優の行動なんてどうでもよくなってきて、
スイーツの差し入れでもしてあげようかなぁなんて気になってくる。
ぼんやりと窓の外を眺めながら考えていた。
< 41 / 124 >

この作品をシェア

pagetop