恋愛格差
幼馴染みの家にお泊まりしました
怒りから困惑顔になった彼女さんは、口許に長い指を当てている。
「すぐる……あぁ…吉岡優?」
「そうです、そうです。」
「あなた、吉岡君の知り合い?」
そこでグッと言葉に詰まる。
職場の人に「彼女です」とかおかしくないか?
どう言おうかと思ってると、横のKY君が
「もしかして、透子の彼氏!」
な~んてチャチャを入れてきた。
「吉岡くんの……彼女なの?」
「あーまぁ…そうです、多分…」
「こんなとこにいていいの?」
もはや私に向ける怒りはなく、純粋な疑問のようだ。
「いや、今日は勝手に彼が仕事終わるの待ってたんですけど、あなたといるところを見て帰ろうとしたらカズとバッタリ出会って…
ちょっと呑みに付き合ってもらおうと思ったんですけどカズが「帰らなきゃダメだ」って言うので付いてきたっていうか……あの、すいません…」
真実と嘘を入り交えて説明した。大まかにはあってるハズ……
「へぇ。あなたが吉岡くんの。」
上から下まで一通り眺められて「あ、そうそう」
「あの後、行くところあるって違う線に乗っていったわよ。」
それだ。
彼女さんはシロなんだ。
「どこへ行くって言ってました?」
「聞いてないけど……
それにしても最近吉岡くんの仕事の捗りが悪くてさ。プライベートで何かあったの?」
「いや、それよりも最近毎日のように遅くて、週末は午前様なんですけど、職場では何かありました?」
「透子も同棲してるの?俺達と一緒だな!」
「「カズは黙ってて!」」
「ひどい……」
ぶつぶつ言いながらシャワーへ言ってしまった。
「ねぇ?もうこんな時間だし、今日は泊まっていって。」
「え?それは……」
「いいでしょ?どーせどういう事するにせよカズとここで朝まで過ごす予定だったんでしょ?」
た、確かに……愚痴って飲み明かそうとは思ってたが。
「確かに、最近吉岡くんの行動はおかしいのよね。プライベートに口出すのもおかしいんだけど、私のチームでもあるし、今の吉岡くんには仕事任せられない。」
「同じチームでしたか……」
「後輩よ。私が2つ上。じゃ、カズの後でシャワー浴びてきてね。着替えは私の出しとく。」