恋愛格差
え~なになに…
『いつでもいいから電話して。
昨日のは誤解だよ。ちゃんと顔見て説明したい。お願い。』
う~ん。突っ込みどころ満載。
誤解?ミスタッチか?
5回目ってこと?
いや、5回では済まないはず…
ちゃんと顔見て説明ねぇ…
あんな超かわいい顔で真摯に謝られたら
…いかんいかん!今回も無かったことにするのか!私!
会うことだけはやめよう。
電話であの甘ったるい声を聞くのもだ。
私の決意が簡単に揺らいでしまうぞ!
え~次は…
『あの子はね、会社の事務の子なんだ。
仕事に失敗しちゃって落ち込んでたから慰めてただけ。
透子が心配するようなことは何もないよ。』
なるほど。
落ち込んで慰めてたってのに恋人繋ぎですか。
このメールも突っ込みどころ満載。
『愛してるから電話ちょうだい。』
ふざけんな。
お前が電話してこい!
ってしてるか。
ここは自分に突っ込んでしまった。
スマホを懸命に見ながら百面相してたら
お尻に違和感が…
スマホを弄る手を止めて
お尻に神経を集中する。
するとお尻に当たっている何かがモゾッと動いた。
誰かの手!?痴漢っ!
ビックリして心臓はバクバク。
体は硬直している。
私が反応しないのを良いことに
少し大胆にその手は動く。
サワサワ…
お尻を擦りながら指先で掴んできた。
彼氏には浮気され
合コンで相手にされず
疲れた満員電車で痴漢にしか相手にされないとは…
情けなさで泣けてくる。
しかし私もしつこいが27才。
痴漢や彼氏に良いように扱われ
黙ってては女が廃る。
勇気をもって久しぶりの痴漢に対峙しようと息を吸う。
お尻をつかんでいる手を掴み
「やめてっ!」
と言う。
周りから視線を浴びる。
なんだか私が悪いことをしているみたいだ。
私に手を捕まれた脂ぎったおっさん(多分50代)は、
驚いた顔をした後こちらを睨み付けた。
「言いがかりはやめろよ。
やるならもっと若い娘にするわ。」
と開き直って軽く怒鳴られた。
まさか反論してくるなんて思わず
恐怖を感じて思わず手を離し、言葉を失った。
そしてそのおじさんは逆ギレして次に着いた駅でドカドカと降りていった。
みんな素知らぬ顔をしていた。
誰も助けてはくれなかった。
痴漢現場を見てた人がいないから当たり前なんだろうけど。
同情の目を向けてくれた人もいるけど
一言でも声をかけてほしいのに…
満員にも関わらず
私の廻りに少しの空間ができた。
おじさんが降りてから次の駅までは拷問みたいな時間。
まるで私が犯罪者みたいに下を向いて
出来るだけ体を縮こませて立っていた。
そして私は居たたまれなくて
次の駅で降りた。
まだ自宅アパートまでは3駅もあるのに。
もう電車に乗る気にもなれなかった。
歩いた。自宅方向へ。
なんでこんな目に合うんだ。
住宅地に差し掛かり街灯が少なくなると
目から涙が溢れてきた。
悔しい。悔しい。悔しい。
痴漢も、乗客も、合コンの男どもも、彼も
バカにして!
許せない!
そんなときにまたスマホに着信が入る。
私は相手を確認して
さらに頭が沸騰する。
「もしもし…透子!よかった!今…」
「うるさいっ!顔見たくないし声も聞きたくない!
あんたなんか大っ嫌い!消えてよ!
2度とかけてくんな!」
閑静な住宅街で怒鳴って
電源ごと切った。
そして声を出して泣きながら歩いた。
このあと自宅につくまで一時間も流し続けた涙が
私の決意を後押しする。
『いつでもいいから電話して。
昨日のは誤解だよ。ちゃんと顔見て説明したい。お願い。』
う~ん。突っ込みどころ満載。
誤解?ミスタッチか?
5回目ってこと?
いや、5回では済まないはず…
ちゃんと顔見て説明ねぇ…
あんな超かわいい顔で真摯に謝られたら
…いかんいかん!今回も無かったことにするのか!私!
会うことだけはやめよう。
電話であの甘ったるい声を聞くのもだ。
私の決意が簡単に揺らいでしまうぞ!
え~次は…
『あの子はね、会社の事務の子なんだ。
仕事に失敗しちゃって落ち込んでたから慰めてただけ。
透子が心配するようなことは何もないよ。』
なるほど。
落ち込んで慰めてたってのに恋人繋ぎですか。
このメールも突っ込みどころ満載。
『愛してるから電話ちょうだい。』
ふざけんな。
お前が電話してこい!
ってしてるか。
ここは自分に突っ込んでしまった。
スマホを懸命に見ながら百面相してたら
お尻に違和感が…
スマホを弄る手を止めて
お尻に神経を集中する。
するとお尻に当たっている何かがモゾッと動いた。
誰かの手!?痴漢っ!
ビックリして心臓はバクバク。
体は硬直している。
私が反応しないのを良いことに
少し大胆にその手は動く。
サワサワ…
お尻を擦りながら指先で掴んできた。
彼氏には浮気され
合コンで相手にされず
疲れた満員電車で痴漢にしか相手にされないとは…
情けなさで泣けてくる。
しかし私もしつこいが27才。
痴漢や彼氏に良いように扱われ
黙ってては女が廃る。
勇気をもって久しぶりの痴漢に対峙しようと息を吸う。
お尻をつかんでいる手を掴み
「やめてっ!」
と言う。
周りから視線を浴びる。
なんだか私が悪いことをしているみたいだ。
私に手を捕まれた脂ぎったおっさん(多分50代)は、
驚いた顔をした後こちらを睨み付けた。
「言いがかりはやめろよ。
やるならもっと若い娘にするわ。」
と開き直って軽く怒鳴られた。
まさか反論してくるなんて思わず
恐怖を感じて思わず手を離し、言葉を失った。
そしてそのおじさんは逆ギレして次に着いた駅でドカドカと降りていった。
みんな素知らぬ顔をしていた。
誰も助けてはくれなかった。
痴漢現場を見てた人がいないから当たり前なんだろうけど。
同情の目を向けてくれた人もいるけど
一言でも声をかけてほしいのに…
満員にも関わらず
私の廻りに少しの空間ができた。
おじさんが降りてから次の駅までは拷問みたいな時間。
まるで私が犯罪者みたいに下を向いて
出来るだけ体を縮こませて立っていた。
そして私は居たたまれなくて
次の駅で降りた。
まだ自宅アパートまでは3駅もあるのに。
もう電車に乗る気にもなれなかった。
歩いた。自宅方向へ。
なんでこんな目に合うんだ。
住宅地に差し掛かり街灯が少なくなると
目から涙が溢れてきた。
悔しい。悔しい。悔しい。
痴漢も、乗客も、合コンの男どもも、彼も
バカにして!
許せない!
そんなときにまたスマホに着信が入る。
私は相手を確認して
さらに頭が沸騰する。
「もしもし…透子!よかった!今…」
「うるさいっ!顔見たくないし声も聞きたくない!
あんたなんか大っ嫌い!消えてよ!
2度とかけてくんな!」
閑静な住宅街で怒鳴って
電源ごと切った。
そして声を出して泣きながら歩いた。
このあと自宅につくまで一時間も流し続けた涙が
私の決意を後押しする。