恋愛格差
何やってるんだろう。
花の金曜日。
飲みの誘いも断って、別れるはずだった彼氏の素行調査。
スナックから出てきたのはまぁ良いとして、
幼馴染みとその彼女を巻き込んで、私は高見の見物。
優が私に何かしら内緒事をしてるのは間違いない。
今までの浮気も含めて。
こんな相手と同棲したり結婚したりできる?
答えは「否」だ。
「ごめんね。お二人を巻き込んじゃって……」
カズはイヤホンを外したその手で私の片手を握った。
「さっちゃんが暴走しただけ。気にすんなよ。」
幸代さんのせいにするカズ。
自分だってがっつり首突っ込んでるくせに。
そんなのも可笑しくなって、フフっと笑った。
そこにまた店員さんが「お待たせしました~焼き鳥盛り合わせ……!」
机の上で手を握りあってる私たちにビックリして、
今度は慌てて厨房へ戻っていった。
その様子を見てカズはそっと手を離した。
「私、このままじゃ埒あかなくてモヤモヤするから、やっぱり自分で聞いてみるね。」
「だな。それが一番早いよな。そのさっぱりきっぱりした透子がいいよ。惚れ直すわ~」
とニカッと笑った。
「冗談でも勘弁してよ……幸代さんに殺されるわ……」
二人してビールグラスをカチンと合わせて、笑った。
その30分後、幸代さんからラインが入り、私たちが飲んでる席に合流した。