恋愛格差
「帰っちゃったよ。結局わかんなかった。ごめん。」
と頭を下げて謝る幸代さんに、私は慌ててハイボールを差し出す。
「いいんです、いいんです!こんなことやってもらっちゃって、すいません!」
ハイボールを受け取りゴクッと飲むと、はぁ~と息を吐き出した。
「喉乾いてたんだよね。終始おもーい雰囲気だし息苦しかった。」
「す、すいません……」
「でもよかったよね、透子ちゃんが居るのがバレなくて。」
「はい……機転を利かせていただいて、助かりました。」
「ほんと、俺もびびったよ~」
「携帯、聞こえてた?」
「え?あぁ。ちゃんと聞こえてましたよ。」
「そっか。ちゃんと大事にする気持ちはあるみたいね~。」
「え?どこらへんが?」
「聞いてたんでしょ?来年は……っての。」
「は?来年……ですか?」
「あ、さっちゃん、俺たち途中で聞くのやめちゃって。」
飲んでたグラスを唇から話すと眉間にシワを寄せた幸代さん。そんな顔もかっこいい。
「そこ、聞いてなかったの?どこ聞いてたの?」
と、何故かカズを睨む。
「えっとー…浮気なんかしてない……のあたり?」
「ばっか!ほんのさわりじゃないの!」
「まじか……なんか重要なとこあったんだ……」
「いや……重要って訳でもないけど……
とにかく、今日行ってた店に行く理由はあるんだろうけど、浮気や遊びの為じゃないって言ってたわ。
でも通うためにお金はいるのかな。なにか悩みはあれど、透子ちゃんを離す気は無いみたいよ。」
そこ、じゃない。
浮気かどうかはこの際置いといて、
仕事に支障をきたす程の悩みを私に打ち明けない事が問題だ。
私を大事な存在だと思ってくれているのなら。
下を向いて黙った私と、何か話したそうな幸代さんの間に
またカズが割り込んでくる。
「あ、そうだ!さっちゃん、その……前の彼のこと、はじめて聞いたんだけど……」
モジモジと語尾が小さくなっていくカズを、
『今、話題を変えるな』と言わんばかりに睨み付けながら幸代さんはカズに「は?」とそれはそれは低い声で返事する。
「だから、元カレのこと……」
と頭を下げて謝る幸代さんに、私は慌ててハイボールを差し出す。
「いいんです、いいんです!こんなことやってもらっちゃって、すいません!」
ハイボールを受け取りゴクッと飲むと、はぁ~と息を吐き出した。
「喉乾いてたんだよね。終始おもーい雰囲気だし息苦しかった。」
「す、すいません……」
「でもよかったよね、透子ちゃんが居るのがバレなくて。」
「はい……機転を利かせていただいて、助かりました。」
「ほんと、俺もびびったよ~」
「携帯、聞こえてた?」
「え?あぁ。ちゃんと聞こえてましたよ。」
「そっか。ちゃんと大事にする気持ちはあるみたいね~。」
「え?どこらへんが?」
「聞いてたんでしょ?来年は……っての。」
「は?来年……ですか?」
「あ、さっちゃん、俺たち途中で聞くのやめちゃって。」
飲んでたグラスを唇から話すと眉間にシワを寄せた幸代さん。そんな顔もかっこいい。
「そこ、聞いてなかったの?どこ聞いてたの?」
と、何故かカズを睨む。
「えっとー…浮気なんかしてない……のあたり?」
「ばっか!ほんのさわりじゃないの!」
「まじか……なんか重要なとこあったんだ……」
「いや……重要って訳でもないけど……
とにかく、今日行ってた店に行く理由はあるんだろうけど、浮気や遊びの為じゃないって言ってたわ。
でも通うためにお金はいるのかな。なにか悩みはあれど、透子ちゃんを離す気は無いみたいよ。」
そこ、じゃない。
浮気かどうかはこの際置いといて、
仕事に支障をきたす程の悩みを私に打ち明けない事が問題だ。
私を大事な存在だと思ってくれているのなら。
下を向いて黙った私と、何か話したそうな幸代さんの間に
またカズが割り込んでくる。
「あ、そうだ!さっちゃん、その……前の彼のこと、はじめて聞いたんだけど……」
モジモジと語尾が小さくなっていくカズを、
『今、話題を変えるな』と言わんばかりに睨み付けながら幸代さんはカズに「は?」とそれはそれは低い声で返事する。
「だから、元カレのこと……」