恋愛格差
「私がそんなヘマするかっての。」

「「え?」」

ヒラヒラと手を降りながら幸代さんはさらりと言う。

「あれは昔いた先輩の話。バリバリ仕事できた尊敬する人だったんだけどね~。

詰めが甘いっていうか。結局元カレと後輩の女の子との結婚が耐えきれなくて退職したわね。
でも、派遣になって働いてたとこでバツイチの専務とデキ婚したわ。そこはさすが有能な営業やってただけあるわ。アハハハ‼」

「アハハハ……って、優を騙したんですか?話聞き出すために?」

「もう一押しだったんだけどねぇ。割りとぐっときてたと思うんだ。

それにしても正社員辞めて派遣になった途端、玉の輿って。……ちっ。就業意欲を無くすわ。」

「あれ?さっちゃん、結婚したいの?じゃあ、今すぐご両親に……」
「バカ言わないで。カズの年収が私のを上回ったら考えるわ。」
「ぐっっ……」

幸代さんは男をたてるなんて事はしない。
一歩後ろどころか三歩前に出るタイプ。

カズのお母さんと上手くやっていけるだろうか。
人の心配してる場合じゃないだろうけど。

「今日は帰ります。もう優が帰ってるかもしれないし。」

カズたちの夫婦漫才も楽しいんだけど
今日は優に会いたい。

この疑問だらけの行動の訳を知りたい。

そして、あわよくば私たちの未来への希望を話してみたいと思った。


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