恋愛格差
後ろ髪を引かれながらも帰宅した。
まだ心臓の音がうるさい。
そして頭の中はハテナだらけ。
なぜ、あんなところにいたのか。
いつからいたのか。
まさか……とは思うけど私に会いに来た……?
なんてまた都合の良いように考えてしまう。
もしそうならうちに来るはずだし。
連絡もないし。
もし私に会いに来ていたとしたら……
「……よくわかんないな」
ほんとに意味不明だ。
昨夜は私が会いに行って、知らんぷりされた。
というかただの知り合いのふり。
そして今朝はうちの近くの公園にいる。
「……やっぱ私に会いに来たんじゃないの……?」
そう思って仕方がない。
「風邪引いちゃうのに……」
まだ公園で座ってかもしれない優を思った。
それでもここに来ないのはやり直すつもりはないのだろう。
会社を辞める優。
きっとあの高そうなマンションも解約するのだろう。
その後はもう偶然でも会える気がしない。
嫌だ
……と思う。
だけど、すでに拒絶されている私には残りの一手も残されていない。
また同じようにすげなくされたら、と思うと、
もう一度待ち伏せする勇気もないのに。
「どうしたらいいの……私」
いない人に問いかけても部屋は静まり返っていた。