<BL> お前は俺のものだ。~高松航大side ~
京介さんのお兄さんの聖司(セイジ)先生とも仲良くなった頃。
京介さんに聞かれた。
「家で何をしていたんだ」
「炊事、洗濯、お父さんに奉仕をする」
「家事全般を押し付けられていたのか」
「それは、違う。
自分が何かしないと愛されないから、愛してくれるように何でもする」
「何でもって、例えば」
僕は、今、京介さんに嫌われるかもしれないと思った。
父がいない今、頼れる人は京介さん。
どうすれば、いいんだろう。
「無理に言わなくていい」
その後、僕は、正直にいった。
性的な事をされたこと。
多少、人と関わって可笑しいと思ったこと
全部話した。
嫌われるなら、早い方がいい。
「そうか、そんなことが」
「嫌いになったでしょ」
「それはない、絶対に」
凄く嬉しかった。
嬉しくて、嬉しくて、堪らなかった。
京介さんが、僕が暮らす家のことを教えてくれた。
京介さんの家は、ほとんど人がいないため
僕を引き取ることは出来ないと言うことで
古賀家に引き取られる事になった。
京介さんの知り合いでとてもいい人たちと聞いたが、不安でいっぱいだった。
説明を受けて、その人に会う事になった。
「君が航大くんだよね。
僕は凛、宜しくね」
京介さんより背は少し低くて、
格好いいより可愛い感じの人だった。
「よろしくです」
「そんなに、緊張しないで。
航大君にお願いがあってきたんだ」
「お願いですか」
「うん」
お願いって、何だろう?
「僕には、弟がいるんだけど、
その弟の世話役として、古賀家が引き取る形になったんだ」
「世話役?」
「弟の身の回りの世話をして欲しい。
弟の名前は、悠真。
航大君とは同い年。
今は、失声症で声が出ないんだ」
「そうなんですか」
「弟も人見知りだから最初は大変だと思うけど」
「精進します」