甘えたがり煩悩



「……分からないんですか?」


その一言に、私は訳の分からない感情に支配された。


火に油どころか、ガソリンに火炎放射器の勢いで、私の心の何かがはじけ飛んだのだ。


「……るか」

「はい?」






「──わっかるかぁ!! 私だけ、なんで優しくないの!? 私だけ、なんでそんな冷たいの!? さっきの子にはあんな笑いかけてたくせに! 私だけ、私だけ……っ! もうしらん! 勝手にしてろ! お前の顔なんざ二度と見たくねーよ! あばよ!! せいぜいかわいい子ちゃんにでも囲まれてウハウハしてろこの変態毒舌くそ野郎がぁあああああああああああああああああああああ!!」




「ちょっ、」



引き留めようとする後輩の腕をふり払い、引き留めていた足を地面にたたき落とし、私はそのまま大爆走した。





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