甘えたがり煩悩


私は頭を掻きながら、苦笑いする。

「桶川くん教え方うまそうだし、教えてほしいなぁー……なんつって」

「教えよっか?」

「えっ何を?」

「自分から話を振ったくせに、そんな顔されるの割と傷つくかも」

「アッ、ハイ。すいません」

「勉強、教えようか?」

「いいの?」

「何でそこで身構える」

「あ、無条件の優しさの裏に何かあるんじゃないのかって思って」

「誰のせいでそうなったかは知らないけど、ご愁傷様」

主に、後輩ですかね。
桶川くんはくすくす口を押えて控えめに笑いながら、首を傾けた。


「で、どうする?」

「うーんじゃあ、お願いしようかな」

「明日はどう?」

「あ、ちょっと待ってね。後輩に聞いてくるよ。えっと、」



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