異聞三國志
「さて、これからどうする?」

諸葛恪が士郎に尋ねた。


「虞平殿、我々とともに来て頂いて、是非とも成都の我が閣下の手当てをお願いしたいのです。どうかお願いします。」


士郎は、涙ながらに訴えた。


「私はもう山越族にとっては裏切り者でしょう・・・。ここに長居は出来ない・・・。わかりました、建業へ一旦戻り、父上に会った後に成都へ参りましょう。」


「本当ですか、ありがとうございます。閣下は我が国いや私にとっても大事なお方。死なせるわけには行かないんです。」


「じゃあ、引き上げるとするか。」


諸葛恪は言った。


士郎は足掛け三月かけて、山越の地を探し回ったことになる。


“これで、あとは虞平殿のお力にすがる以外はないな。うまくいくといいが・・・。”


士郎は建業に戻り、理佐子と合流、帰途についた。もう、時期は4月になろうとしていた。
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