異聞三國志
一応育って来た放線菌・・・。それを更に数個に分けて、大量に培養していった。

「何しろ、半年は続ける必要があるから、大量の放線菌がいる・・・。」


「半年!そんなにいるんですか。」

虞平は士郎の呟きに驚いていた。

「そして、初期は経口投与では効果は薄い・・・。そこで、また虞平殿の登場となるのだ。」

「何と。して私は何を。」


「麻沸散で関興殿を眠らせた後、解胸して、放線菌を恐らくは患部である肺の上部に塗るのだ。」


「何と。」

「それからは、経口投与と傷が治った後には、注射するのだ。経口投与は寒天を飲んで貰うしかない。注射は注射器と針もほれこの通り。」

注射器はガラス職人に作らせてあり、注射針は成都一と言われる鍛冶屋に特注で作らせた。


「なるほど、して勝算は?」


「五分五分だ。とにかくやらないで座して死を待つよりはよいはず。やるしかあるまい。」


「うむ、やってみようか。」


こうして、手術が開始された。麻沸散はこの間の孔明の手術と同様にして、眠らせることに成功した。
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