異聞三國志
士郎たちは長安入城後城門を固く閉ざし、魏の援軍に備えた。

援軍としては呉との前線から急遽満寵が呼び寄せられた。


数を頼みに猛攻を仕掛ける魏軍。


衝車という城門を壊す機械、雲梯という梯子車や袁紹との官渡の戦いでも活躍した霹靂車と呼ばれた大きな石を飛ばす車、色々な兵器を駆使して責めてくる魏軍。


しかし、蜀軍も孔明発案の[本当は妻の月英発明?]連弩[一度に沢山の弓を発射する弓矢]などを駆使して奮戦した。


士郎は勿論前線ではなく、野戦病院にいた。
野戦病院といっても、祠を借りて、寝台を置いただけの粗末なものではあったが、薬等は持って来ていた。


今回の北伐には当然虞平はいなかった。呉に戻ったのであった。


激戦のせいで次々とはこばれてくる兵士。


しかし、ここは古代である、殺菌、消毒もままならぬ有り様であった。


そして、血だらけで運ばれてくる兵士達。

血は吹き出し、肉は出ている。まさに惨状。
『これが戦場か』

士郎には戦争がなんたるかを思い知らされた。
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