異聞三國志
蜀は長安付近の雍州や背後の涼州も傘下に治めたために、あの異民族羌族などの遊牧民族の兵を集められることになった。

これで15万程度の兵は自在に運用可能になったのである。

やはりこれには馬岱が涼州出身であることが大きく影響していた。かの地で人望のあった馬超の従弟であったのは。

このような精強な涼州兵を加えて、意気上がる蜀陣営であった。


そんな中

士郎は丞相府に呼ばれた。


「庶よ、次の戦いが重要じゃ。魏の首都、洛陽に迫る作戦じゃからな。」


「はい、それは存じております。」


「ならば、貴公ならどう戦う?」


「ここでは、あまり作戦は。正直浮かびません。」


「わしは、司馬懿を使うつもりじゃ。」


「え、それはどういう意味で。」


「司馬懿は先の戦いで魏帝の信頼を失っておる。よってこちらから誘いをかければ、容易に寝返るはず。」


「なるほど。しかし、裏切りを想定しての戦は危険が大きいのでは?」
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