異聞三國志
休日のある日、士郎の目にあの笛がとまった。
あのヤマトタケル由来という笛が。
何気なく、鞄に入れておいた。がしばらく、忙しさでそんなことは忘れていた。
が珍しく今日は患者が容態の急変等もなく、平穏に過ごしていた。
物悲しい音色。
『あ、その笛。』
理佐子が側に来て懐かしそうに、言った。
『その笛のおかけで、ここに来たんだものね。また吹いたら、帰れるかもよ。』
『アホ、そんなことはとうにやってるし。こっちに来た時に。戻れませんでした。』
『夕暮れじゃなかったからではないの?』
『夕方にもやりました。』
『じゃあ、雷とか。』
『この時代には天気予報なんてないんだぜ。そんなことは予想できないし。最近は笛のことすら、忘れてたよ。』
そんなこんなを話しているうちに、にわかに空が怪しくなってきた。
『理佐子が雷なんて言うから本当に来そうだよ。』
士郎は遠くに雷鳴を聞きながらも、降ってきたら病院に入ろうと思っていた。
あのヤマトタケル由来という笛が。
何気なく、鞄に入れておいた。がしばらく、忙しさでそんなことは忘れていた。
が珍しく今日は患者が容態の急変等もなく、平穏に過ごしていた。
物悲しい音色。
『あ、その笛。』
理佐子が側に来て懐かしそうに、言った。
『その笛のおかけで、ここに来たんだものね。また吹いたら、帰れるかもよ。』
『アホ、そんなことはとうにやってるし。こっちに来た時に。戻れませんでした。』
『夕暮れじゃなかったからではないの?』
『夕方にもやりました。』
『じゃあ、雷とか。』
『この時代には天気予報なんてないんだぜ。そんなことは予想できないし。最近は笛のことすら、忘れてたよ。』
そんなこんなを話しているうちに、にわかに空が怪しくなってきた。
『理佐子が雷なんて言うから本当に来そうだよ。』
士郎は遠くに雷鳴を聞きながらも、降ってきたら病院に入ろうと思っていた。