あの約束をもう一度
少しだけまぶしくて、薄く目を開けた。

使われていないところなのか、そこは何もなくて、
壁も真っ白だった。

おなかの辺りの布団が少しだけひっぱられてるのに気付いて
そこに目をやる。

すると、すやすやと眠りについてういる、葵浬ちゃんがいた。

ベットに下におかれたかばんからケータイだけ取り出した。

時刻は5:00を刻んでいる。

昨日倒れて、葵浬ちゃんの家に運んでもらった事にやっと気がつく。

「葵浬ちゃん・・・・。ありがとう。」

さらさらとした髪をゆっくりとなでた。

そして告げる。

「僕は・・・、12年前に君の前から姿を消した・・・蓮だよ。」

聞こえていないのは知っていた。でも言っておきたくて。

少しだけ・・ほんとに少しだけ、気分が楽になった。

そしてまた僕は眠りについた。
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