あの約束をもう一度
そして12年の月日が経ったころ。

母さんの貯金と、自分の金を使って、
俺は日本に戻ってきた。

兄の顔を見るために。

父さんが捕まる前にいっていた。

「お前の兄はお前と同じ日に生れたんだ。」

双子だった。

その兄が春夏学園にいることを聞いて、俺も早速入学した。
はじめてみた、俺の兄は童顔で可愛いという言葉がすごく似合うとおもった。

ただ、ほんの少し俺に似ていた。

母さんはない。やっぱり、母さんが言っていたのはあたってたんだ。
「異母兄弟・・・・・・・か・・・・・。なんかあんまいい響じゃねぇよな。」

転校した日、廊下で呼ばれるのを待っていたとき。
壁にもたれてそんなことをつぶやいた。
< 33 / 41 >

この作品をシェア

pagetop