生徒会長、桜庭響は変態であった。
「お願い!アサちゃんの太もものふかふかに埋もれることによって俺の才能は開花するの!いや、ふかふかじゃない、ふわふわ」

「どうでもいいですよ!」

ただいま4月。
新学期早々やっかいなアホに絡まれている私、旭川花音は見て見ぬ振りをしている幼なじみを睨みつけた。

「あきらめてやってあげたらぁ?」

大知はそう呟くと軽くあくびをして爪いじりを再開した。なんなんだコイツは。


「会長に絡まれてるのも元はといえば木船のせいでしょ」

学校で下の名前で呼んだらからかわれるから、一応、『木船』。こんな渋い苗字でも顔は日本人ばなれしている。一応ハーフだからだ。一応。

「えー?僕は別にぃー……ですよねっ福島せんぱい?」

逃げやがった。

福島先輩は3年の副会長。大知のファンクラブとかいう頭悪そうな組織のリーダーだ。
大知目当てで生徒会に入ったという話を聞いた。見た感じ9割9分それ。

案の定嬉しそうに相好を崩してる。
こんなチャラ男のどこがいいんだろう、って思うけどわざわざ言うほど馬鹿じゃない。

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