神様の雫
はんぶんこ
私は雨の日が大好きだ。薄いベージュのレインブーツを履いて、お気に入りのピンクのお花柄の傘を大好きな人とはんぶんこする。
ーちゃぷ。ちゃぷ。ちゃぷ。ー
もう何年も聞いたその足音。後ろを振り返らなくたってわかる。前髪を整えて、軽く深呼吸して、彼を待つ。
「美雨??よかった〜。また濡れるところだった。傘、入れて?」

「そう言うと思って待ってたの。はい、はんぶんこ。」
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