神様の雫
出会いの日
涼太と雨の中、小さめの傘に2人でぎゅうぎゅうになりながら歩くのが私の一番好きな時間だ。私より20センチくらい背が高い涼太が決まって傘を持ってくれる。前に私が傘を持ったときは「美雨がさすと俺、傘からはみ出そうなんだけど。」とかいってひょいっと傘を持ってくしゃっとした笑顔で笑ってくれたっけ…
涼太は小さい頃から運動が得意でかっこよくて、女の子にも男の子にも優しくて。バレンタインデーにはよく漫画に出てくる下駄箱を開けるとチョコたちがどさっと落ちてくる… そんなことさえも涼太にとっては驚くようなことじゃなくて毎年当たり前のことだった。
そんな涼太と正反対な私…天宮美雨は小さい頃から運動がとにかく苦手で、人見知りであがり症な性格からなかなか気の合う友達がいなくていつもひとりぼっちで本を読むか、ぼーっと空を眺めていた。
そんな涼太と私がどうしてこんなに仲良くなったのか…。
そういえば、あの日も雨がザーザー降ってたっけ。
小学五年生の頃。いつものようにただの暇つぶしに空をぼーっと眺めていた。
そんな私を気持ち悪がった意地悪な男子たちがわざと聞こえるように大きな声で話をしていた。
「天宮っていっつもどこ見てんだろ」
「きもちわりー。あいつ本当になに考えてんのかわかんないよな。」
「晴れてる日も雨の日もずーっと空眺めるか本読んでるもんな。」
私だってみんなみたいに明るくなりたいのに。
でも空を眺めるのは嫌いじゃなかった。悲しいことも辛いこともなんだかすべて忘れられるような気がするから。
放課後、男子たちのサボった掃除を私がやる羽目になり、1人で教室に残っていた。
「はあ…なんで私が…」
特に家に帰ってやることもなかったので1人で机に座ってまたぼーっと空を見ていた。
その時。
「天宮さん、空を見るのが好きなの?」
びっくりした。あんなに人気者の白崎涼太くんが私に話しかけてくるなんて。
これが私と涼太の出会いだった。
「う、うん…まあ…。」
「俺も好き。どんなに辛いことあってもさぼーっと空を見てると全部忘れちゃえるきがするんだよね。」
(私とおんなじこと考えてる…)
「だからさ。俺は天宮さんのこと変とか全く思わないよ。むしろ仲良くなりたいと思ってる。」
「え…。でも私と仲良くするときっと白崎君もいろいろ言われちゃうと思うし…」
「そんなの関係ない。天宮はさ、もっと自分に自信持って。掃除変わってあげる優しいところも人見知りであんまり話せないところも俺は全部わかってるよ。俺ら五年間ずっと同じクラスだったじゃん。」
気づいたらわたしはないていた。
きっとこの時、この瞬間から私は「白崎涼太」という私の太陽に恋していた。
涼太は小さい頃から運動が得意でかっこよくて、女の子にも男の子にも優しくて。バレンタインデーにはよく漫画に出てくる下駄箱を開けるとチョコたちがどさっと落ちてくる… そんなことさえも涼太にとっては驚くようなことじゃなくて毎年当たり前のことだった。
そんな涼太と正反対な私…天宮美雨は小さい頃から運動がとにかく苦手で、人見知りであがり症な性格からなかなか気の合う友達がいなくていつもひとりぼっちで本を読むか、ぼーっと空を眺めていた。
そんな涼太と私がどうしてこんなに仲良くなったのか…。
そういえば、あの日も雨がザーザー降ってたっけ。
小学五年生の頃。いつものようにただの暇つぶしに空をぼーっと眺めていた。
そんな私を気持ち悪がった意地悪な男子たちがわざと聞こえるように大きな声で話をしていた。
「天宮っていっつもどこ見てんだろ」
「きもちわりー。あいつ本当になに考えてんのかわかんないよな。」
「晴れてる日も雨の日もずーっと空眺めるか本読んでるもんな。」
私だってみんなみたいに明るくなりたいのに。
でも空を眺めるのは嫌いじゃなかった。悲しいことも辛いこともなんだかすべて忘れられるような気がするから。
放課後、男子たちのサボった掃除を私がやる羽目になり、1人で教室に残っていた。
「はあ…なんで私が…」
特に家に帰ってやることもなかったので1人で机に座ってまたぼーっと空を見ていた。
その時。
「天宮さん、空を見るのが好きなの?」
びっくりした。あんなに人気者の白崎涼太くんが私に話しかけてくるなんて。
これが私と涼太の出会いだった。
「う、うん…まあ…。」
「俺も好き。どんなに辛いことあってもさぼーっと空を見てると全部忘れちゃえるきがするんだよね。」
(私とおんなじこと考えてる…)
「だからさ。俺は天宮さんのこと変とか全く思わないよ。むしろ仲良くなりたいと思ってる。」
「え…。でも私と仲良くするときっと白崎君もいろいろ言われちゃうと思うし…」
「そんなの関係ない。天宮はさ、もっと自分に自信持って。掃除変わってあげる優しいところも人見知りであんまり話せないところも俺は全部わかってるよ。俺ら五年間ずっと同じクラスだったじゃん。」
気づいたらわたしはないていた。
きっとこの時、この瞬間から私は「白崎涼太」という私の太陽に恋していた。