黒王子と白いプリンス
「俺、帰るね。」
いつもより少し元気のない笑顔。
「あ、うん‼︎」
私と白馬くんは玄関に向かった。
そして、白馬くんが玄関を開けると…
パシャッという音を合図にフラッシュとシャッター音が溢れかえった。
白馬くんは即座に扉を閉めた。
「何……今の……」
「……報道記者かな?」
「うそでしょ……」
「もう一回開けてみる?」
「いやいやいや‼︎いいです‼︎」
芸能人の熱愛ってこんなことになるんだ……
て……熱愛なんて誤報‼︎‼︎
「あ、どうしよう……玄関から出られないし……うち……裏口ないし……」
私たちが悩んでいた時、
「あ、お前⁉︎⁉︎」
お兄ちゃんが叫んだ。
「あ、お兄さん……どうも…」
お兄ちゃん、動揺は解けたんだ……
「どうしているんだ‼︎」
「いや……謝りに……」
白馬くんの顔には笑顔がない。
もしかして堅物は苦手?
「謝罪だと?何したんだ?」
「それはちょっと……」
「お、お兄ちゃん‼︎それよりね、外に人がたくさんいて白馬くんが出られないの‼︎‼︎」
「人がたくさんいる?」
「たぶん報道陣の人たちなんだけど、あき…峰晃との熱愛がどうとかだと思うんだけど……」