黒王子と白いプリンス


「俺、帰るね。」


いつもより少し元気のない笑顔。


「あ、うん‼︎」


私と白馬くんは玄関に向かった。


そして、白馬くんが玄関を開けると…


パシャッという音を合図にフラッシュとシャッター音が溢れかえった。


白馬くんは即座に扉を閉めた。


「何……今の……」


「……報道記者かな?」


「うそでしょ……」


「もう一回開けてみる?」


「いやいやいや‼︎いいです‼︎」


芸能人の熱愛ってこんなことになるんだ……


て……熱愛なんて誤報‼︎‼︎


「あ、どうしよう……玄関から出られないし……うち……裏口ないし……」


私たちが悩んでいた時、


「あ、お前⁉︎⁉︎」


お兄ちゃんが叫んだ。


「あ、お兄さん……どうも…」


お兄ちゃん、動揺は解けたんだ……


「どうしているんだ‼︎」


「いや……謝りに……」


白馬くんの顔には笑顔がない。


もしかして堅物は苦手?


「謝罪だと?何したんだ?」


「それはちょっと……」


「お、お兄ちゃん‼︎それよりね、外に人がたくさんいて白馬くんが出られないの‼︎‼︎」


「人がたくさんいる?」


「たぶん報道陣の人たちなんだけど、あき…峰晃との熱愛がどうとかだと思うんだけど……」



< 103 / 187 >

この作品をシェア

pagetop