黒王子と白いプリンス
お兄ちゃんの部屋に入ると、お兄ちゃんがベランダに出た。そして、隣の家に向かって叫んだ。
「おい、平賀。」
ひ、平賀⁉︎平賀って……
すると、ガラッと隣の家の窓が開いた。
そこからTシャツにスウェットパンツを履いた男が現れた。
「……なんだよ……」
「この子、由乃の知り合いなんだが外に人がたくさんいて帰ることができないんだ。お前の家から出してやってくれないか。」
「…いいけど…」
「だそうだ。」
白馬くんは驚いた顔をした。
平賀くんは、私の家の隣に住んでいるお兄ちゃんと同い年の大学生。
幼馴染ってやつ。
優しいけど、いつも気だるそう。
白馬くんは平賀くんの家に移動した。