黒王子と白いプリンス
お兄ちゃんがインターホンのボタンを押した。
「……はい…」
「失礼します。新藤プロダクションの者ですが。」
新藤プロダクション……?
「この度は申し訳ございませんでした。ご自宅の前のマスコミには退散していただきましたのでご安心ください。」
「は、はぁ……」
「あの、由乃さんは御在宅でしょうか?」
「あ……いますけど……」
お兄ちゃんが何も言わずに私を呼ぶ。
「今、代わります。」
「……あ、あの……」
「あ、由乃さんですか。」
「はい……」
「私、晃のマネージャーをしております。川中でございます。」
「ま、マネージャーさん⁉︎⁉︎」
「はい。」