黒王子と白いプリンス
晃さんが家の扉を開いた。
「ただいまーー」
え……ちょ……
「おじゃまします……」
私は小さな声でそう言った。
しかし、物音さえ聞こえてこなかった。
白馬くんは、いないのかな?
「たぶん、寝てるな。」
「え???」
まだ寝てるの⁉︎⁉︎
もう12時になりそうなのに……
「諒也は、休みの日際限なく寝るから」
「へ、へぇ……」
「それより、お腹すいたでしょ?なんか作るよ」
晃さんがそう言って冷蔵庫を開けた。
「あれ……何もない……」
「あ、いいですよ‼︎‼︎私、まだお腹すいてないので」
「……俺が空いた。……買い物に行ってくる。」
「え⁉︎じゃあ、私が……」
「由乃ちゃんはいて。俺が買ってくるから」
「え……」
「ちょっと時間かかるかもしれないけど、待ってられる?」
「あ……はい……大丈夫ですけど……」
「じゃ、急いで行ってくる‼︎‼︎」
そう言って晃さんは出て行った。