黒王子と白いプリンス


晃さんが勢いよく出て行ったせいで扉はものすごい音を立ててしまった。


すると、


ガチャ


とどこかの部屋の扉が開く音がした。


そして、


「はぁーーーーんーーーー」


という声が聞こえて、リビングに現れたのはもちろん……


「はぁ……音、立てすぎだろ……」


白馬くんだった。


白馬くんはそのまま私に気づかずに冷蔵庫を開けた。


ぱ、パジャマかな……すごい……普段じゃ考えられない格好……


「……はぁ……」


冷蔵庫からお茶らしきものを取り出して飲み始める。


飲んでいる途中で白馬くんは私の存在に気がついた。


「よ、よ、由乃ちゃん⁉︎⁉︎⁉︎」


「お、おはよ……」


「な、な、な、な、なんで⁉︎⁉︎⁉︎」


今までにない動揺ぶり……


「いやぁ……その……」


「うわ……てか、俺……この格好……着替えてくる‼︎‼︎」


白馬くんは部屋に戻って行った。


あのままでも良かったんだけど……


って……私何考えてんの⁉︎⁉︎⁉︎


< 126 / 187 >

この作品をシェア

pagetop