黒王子と白いプリンス
「はい‼︎頂戴。洗っておくから。」
私は、お母さんにパーカーを渡した。
「よ、よろしくお願いします……」
「このパーカーのコ。どんな子なの?」
「え、えっと……『王子』って呼ばれてる…」
「『王子』?何それ、かっこいいってこと?」
お母さんが笑いながら言った。
「うん。顔はすごくかっこいいよ‼︎」
「へぇ〜。家に連れて来なさいよ‼︎‼︎」
「は⁉︎無理だよ⁉︎」
「どうして?仲良いんじゃないの?」
「今日初めて会ったんだよ‼︎‼︎」
「あら、そうなの?……随分優しい子なのね。」
「そうなんだよね……優しいんだよ‼︎」
「ま、洗っておくから、ご飯食べて来なさい‼︎」